トランスフェリンレセプター経由のBBB突破技術の採用
BBB突破経路としてのトランスフェリンレセプターの採用
当社の血液脳関門(BBB)突破のソリューション「BrainAccess®」は、脳DDSの第2世代ドラッグデリバリーシステムです。様々なモダリティを輸送可能なプラットフォームで、BBB上にある輸送経路の一つとして、トランスフェリン受容体(TfR)も利用しています。
Brain Access®の仕組み
TfRに対するナビゲーター分子を用いた当社の高分子ミセルDDSの特徴は、
- 食事の影響を受けない(血糖コントロールの必要が無い)
- ミセルの内容物の有無に寄らずほぼ一定である
- ミセル内に多くの医薬品を内包できることから、ナビゲーター分子当たりの輸送効率が高い
- 輸送効率が高いため、同等の薬効を示すために、より少ないDDS投与量で済み、より優れた安全性が期待できる
- 輸送効率の高さから、コストの優位性を実現できる(1つのリガンドに対して送達できる医薬品分子量が多くなるため)
このような当社の「BrainAccess®」によって、TfR経路を利用した脳DDSを実現し、効果的かつ安全な脳送達を可能とすることで、中枢神経系疾患のアンメットニーズへ治療方法を提供していくことが使命と考えております。
Brain Access®の完成(TfRリガンド&ミセル技術の組み合わせ)
TfRリガンドを装着したミセルをマウスに投与したところ、ミセル化していないTfR抗体を投与した場合と比べて、脳内分布に明らかな相違が見られました。ともに、蛍光標識したものを投与し、投与後1時間のマウスの脳分布をみたところ、TfR抗体では脳毛細血管内皮細胞に限局していることが見られました。
それとは対照的に、TfRリガンド装着ミセルでは、脳実質内への拡散・分布を強く示唆する所見が観察されました。すなわち、TrfRリガンドとミセル技術の組み合わせによる、世界に類を見ないDDS技術のプロトタイプが完成しました。
TfR抗体
脳毛細血管内皮細胞に限局
TfRリガンド-修飾ミセル
脳内実質内への拡散・分布が認められた
プラットフォーム技術(Brain Access®)の優れた拡張性
Brain Access®は、すぐれたプラットフォーム拡張性を持ち、モダリティの拡張や機能性リガンドの開発を進めております。これにより、幅広いモダリティのCNS送達ニーズや、部位特異的な送達などのカスタマイズに応えることが可能となります。